たった一本のチューブも、たくさんの人の手でつくられている。

PEOPLE 03
たった一本のチューブも、たくさんの人の手でつくられている。

大友 陽太郎
製造部 | 2020年入社
PROFILE
食品化学と有機化学の研究室に所属し、でんぷんを用いた機能性高分子について研究。就職活動では、「スーツを着ないラフな仕事」「細かい作業のできる工場」「実家から通える」といったいくつもの基準から、企業を探していたという。そして、「学んできたことがプラスチックにつながっている」という最後のピースが揃った時、ペンニットーへと足を踏み入れた。

現在の仕事内容

私が担当しているのは、「押出成形機」と呼ばれる機械を用いて、ふっ素チューブの原料から材料チューブに加工する工程です。ここで成形されたものが、その後に「コルゲートチューブ」や「収縮チューブ」へと加工されていきます。主には、製造ラインの品質保証管理を行っており、チューブの厚みや穴の大きさを基準内に収めるように、常に調整しなくてはなりません。また、これまで様々な工程を経験してきたため、他のラインのサポートも任されています。さらには、新しく入社してきた新人の育成も行うなど、幅広く業務を進めています。

現在の仕事内容

仕事のやりがい

よりよい品質の材料チューブを製造できた時に、大きなやりがいを感じられます。私が担当する材料チューブの成形には、温度条件や製造速度が関係しており、それらを調整することで、同じチューブでも仕上がり具合が変わってくるのです。原料メーカー様が開催しているセミナーにも参加し、新たな知識を元にした設定を行い、そうして、基準内に収まる安定した製品製造ができた時には、大きな達成感を味わうことができます。ただし、学んだ知識だけですべてがうまくいくわけではありません。というのも、チューブの材料にもそれぞれ個体差があるためです。そのように、知識では制御しきれないところを、これまで培った経験で埋めることも大切です。

現在の仕事内容

仕事に活きた学生時代の経験

学生時代のアルバイト経験が、仕事に大きく活かされていると感じます。特に、居酒屋のアルバイトをしたことで、社会人になる前の練習ができたのではないでしょうか。同級生と一緒に働いていたのですが、繁忙期の忙しさや、動き続ける大変さ、パートさんやお客様との接し方など、大変さと楽しさが入り交じった環境に身を置いた経験は、今の仕事の姿勢にもつながっています。また、化学系の学問を学んでいたことも、仕事を理解するうえで役立っています。たとえば、ふっ素樹脂は静電気を起こしやすいという性質があります。その性質がどのようにして生まれているのかを知っていることで、製造ラインに静電気を打ち消す装置を設置する時、どの箇所に配置すればいいのかを構造として理解できるのです。

印象的なエピソード

入社して半年ほどで行われた、内部監査のことが、深く記憶に残っています。内部監査では「自分たちで設定している規定通りに作業しているか」を厳しく審査されました。それまでは、製造プロセスが属人的になってしまっている部分もあったのですが、監査の結果を受けて、作業者・管理者が、どんな役割を持っているのかを明確にしなければならないと思いました。作業の内容は覚えていても、「それぞれの作業がどういった関連を持っているのか」という、全体を把握できていなかったのです。どの工程に、誰がいて、何をしているのか。それらがきれいにつながった先に、ペンニットーのふっ素チューブが生まれているはずです。入社後の半年間で学んだことが、一本の線につながったようで、工場全体に対する理解が深まった出来事でした。

ある1日のスケジュールA DAY schedule

8:30
出社/ラジオ体操、朝礼。
8:45
担当する工程周辺、装置を掃除。
9:00
製造準備/
製造に必要なものを用意、注意事項を確認。
10:00
製造開始/
製品が問題ないか検査・測定。
12:00
昼食
17:00
製造終了/
装置をクールダウンし、後片付け。
17:30
退社
ある1日のスケジュール

今後の目標

現在、業務の一環として外部研修を受講しており、ラインの改善方法や、人を巻きこんで課題を解決する方法などを学んでいます。これまでも、自分の受け持っているラインの課題解決は行ってきました。しかし、研修に参加したことで、そこから一歩進展させて、より効率的な体制をつくりたいという意識が芽生えてきたように思います。自分のラインだけでなく、効率改善を他のラインにも水平展開したり、属人的になっていた作業を、報告をしてもらうようにシステム化するといった仕組みづくりにも取り組んでいます。これまで以上に、把握すべきことが増えましたが、工程が可視化されたことで、安心して業務を任せられるようになったり、人員の調整も行えるようになったりと、全体のバランスを取りやすくなったと思います。これからも、工場の改善に務めていくつもりです。

皆さんへのメッセージ

実は私は、就職活動をはじめた時に「自分が何をやりたいか」が決まっていませんでした。私と同じように、自分の軸がないことに、不安を感じる方もいるかもしれません。ですが、「スーツを着たくない」「細かい作業が好き」「家が近い」といった、自分の好き嫌いや向き不向きで、仕事を絞ってもいいのではないかと思います。はっきりと主張できるような、堅い就職の軸を持つのではなく、そうやって、イメージしやすい身近な要素から、自己分析を進める。そうして、総合的に見たうえで自分に合う会社を探すというのも、一つの方法なのではないでしょうか。どうか、悔いの残らないよう、ゆっくりと就職活動を進めてみてください。